どん食学辞典

自然と努力が産んだ「安心の品質」PART 2

オーストラリアの牛肉生産の様子と、安全性の確立への取り組みをお伝えする後編では、世界のデータと、オーストラリアの食肉加工の現場をご紹介します。


生産量が意外と少ないオージー・ビーフ

ちょっとしたクイズをひとつ。世界で一番牛を飼っている国はどこでしょう?

アメリカ…と答えた方、残念でした。実は正解はインドで、世界の牛の約3分の1がインドに生息しています。次いで多いのがブラジル。アメリカは世界で3番目の飼育規模です。
フォルクスが使っている牛肉の産地オーストラリアは、牛の飼育頭数では世界のわずか3%にすぎません。




インドでは牛が宗教(ヒンズー教)で神聖視されることから、ほとんど食用にはされません。牛肉の生産量で見ると、世界一の産地はやはりアメリカ。意外なことに、オーストラリアは牛肉生産量でも、世界のわずか4%にすぎません。

ところが、牛肉輸出量ということになると、オーストラリアは世界のトップに躍り出ます。
海外市場で取引される世界の牛肉の実に4分の1近くがオーストラリア産で、その牛肉は、世界一の牛肉生産国であるアメリカにも大量に輸出されています。
オーストラリアは人口約2000万人に対して、牛の飼育頭数は約3000万頭。国内で消費する分以上の牛肉が生産されるので、生産量の約7割を海外に輸出しています。これに対し、アメリカは生産量の8%ほどしか輸出していません。
そして近年、BSEの発生などで禁輸などが相次ぐなかで、オーストラリアが世界の国々にこれだけ多くの牛肉を安定して輸出できるのは、牛の病気がほとんど存在しない安全性の賜物なのです。




■オーストラリア産牛肉の最大の輸出国が日本で、年間約40万トンを輸出しています。次がアメリカで、年間約35万トン。次いで韓国の9万トンとなっています。(2004年実績)
■2004年度に日本国内で消費された牛肉のうち、実に50%がオーストラリア産で、国産牛肉の44%を上回りました。


加工から輸出まで厳しい品質管理が支える安心と安全

牛が牧場で育つ姿は写真でもよく目にしますが、そのお肉がステーキとなってレストランに並ぶまで、あるいはスーパーの棚にパックに入って並べられるまでに、いったいどんな加工を経ているのか、ということはあまり知られていません。
オーストラリアで生産された牛は、現地の食肉加工場でと畜され、枝肉から部位ごとにブロック肉を切り出し、新鮮さを保つために真空パックされます。その後お肉は箱詰めして冷蔵または冷凍され、コンテナに詰められて日本に出荷されるのです。
この加工から輸出の段階でも、オーストラリアの安全管理は徹底しています。

牛をと畜解体する食肉加工場は、食肉安全品質保証プログラム(MSQA)によって管理され、国の機関であるオーストラリア検疫検査局(AQIS)の検査官が常駐しています。
工場では、1日の作業を始める前に、すべての設備と機械、食肉に触れる道具や器具が厳しい衛生検査に合格しなければなりません。また、加工された牛肉は、AQISの検査官によって検査を受け、異常がないかチェックされます。

こうして加工されたブロック肉は冷蔵(チルド)または冷凍(フローズン)されたあと、チルドビーフは-1〜+1℃、フローズンビーフは-18℃以下に常に保たれ輸送されます。輸送するコンテナはAQISの検査官が封印し、最終目的地に到着するまで、コンテナが開けられることはありません。

こうして、今日も安心のオージー・ビーフが私たちのもとに届くのです。




■現在、オージー・ビーフの多くは、お肉の味や風味を大切にしたチルド(冷蔵)で日本に輸送されています。チルド輸送はフローズン(冷凍)輸送に比べて、保存できる期間は短くなりますが、輸送の間にじっくりと熟成が進み、柔らかさと旨味が増すのです。フォルクスのサーロイン、リブロース、フィレステーキも、チルド(冷蔵)のオージー・ビーフを使用しています。


牛肉生産を支える多勢の職人たち   オーストラリアレポート

牛肉加工場訪問記オーストラリアの牛肉生産の現場を取材したレポートの第二回目は、牛肉の加工場の様子をご報告します。
現地の3つの加工場での取材を元に、加工場でどのように牛肉の生産が行われているかを、イラストと写真をもとにまとめました。

取材協力・資料提供
オーストラリアミート社
タスマングループ社
ティーズブラザーズ社